教えて!成年後見制度-9

朝日新聞の成年後見制度に関する連載記事です。
全10回のうち9回目の記事となります。
全体記事は最後に張り付けています。

ここまでの連載からも高齢化社会に必要不可欠な制度である成年後見制度が、市民に十分な活用をなされていない現状が浮き彫りになりました。
国は成年後見制度を改革するため5か年計画を立てましたが、その道のりは順調とは言えません。

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2月20日 第9回
1.タイトル
手術の同意、選任方法・・・どう改革する?

2.記事からの引用
1)身よりがなく家族に同意を求められない医療機関が、後見人に判断を求めてくることは多い。だが、成年後見制度では「後見人には医療行為に対する同意見はない」というのが法務省の見解。

2)成年後見制度は今、様々な問題に直面している。国は今後、どう改革していくのか。その全体像をまとめたのが17年3月に閣議決定した国の基本計画だ。
17~21年度の約5年間を想定し、「利用者がメリットを実感できる」「全国どこでも必要な人が利用できる」など四つの目標を掲げ、工程表も定めた。

3)ただ政府関係者は「計画通りに進んでいるとはとても言えない」とみる。まず、基本計画を進める柱となる市町村の中核機関の設置が遅れている。制度の相談を受けたり、本人と専門職をつないだり、全体の調整役を担う想定だが、「自治体の人材不足や予算などがネックとなっている」

4)基本計画には、裁判所が財産管理だけでなく本人の生活も支える身上監護も担う適切な後見人を選べるよう19年度中に方策を検討し、新たな運用を開始すると明記されている。しかし本人の事情を把握した中核機関から適切な後見人が推薦されることを想定しているため、最高裁は「中核機関が設置され、きちんと機能しないと、成り立たない話」という。
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成年後見人は本人に代わり法律行為の判断を行いますが、すべての法律行為について権限を持つわけではありません。
そしてその法律がカバーしていない部分について、現場の後見人にしわ寄せが及んでいる実態があります。
親族側には専門職が後見人に就任することや金銭的な負担に対する不満がある一方で、就任した後見人にも不満や負担があるのです。

高齢化社会には欠かすことのできない成年後見制度ですが、制度疲労は明らかで改革が必要なことも明白ですが、その道筋はたっていないのが現状です。

人が判断能力を失った時に本人以外の人が本人のために法律行為を行える手段は今のところ2つしかありません。
一つは成年後見制度で、もう一つが最近注目されている家族信託です。
しかし家族信託はあくまでも財産だけを対象にした仕組みですので、本人の身上監護については後見制度で対応する以外に方法はありません。
それにも関わらず後見制度でもカバーしきれない空白地帯があり、それ以外にも様々な問題を抱えているとなると、高齢化社会の社会インフラとしては甚だ心許なさを感じずにはいられません。

成年後見制度に関する全10回の連載も残すところあと1回となりましたが、誰もが利用できる現実的な後見制度の未来は見えてくるのでしょうか?
とても気になります。

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