教えて!成年後見制度-7

朝日新聞の成年後見制度に関する連載記事です。
全10回のうち7回目の記事となります。
全体記事は最後に張り付けています。

成年後見制度が発足した当初、後見人には主に親族が就任することが想定されていたと思います。
しかし、親族後見人による財産の着服等が問題となり、現在では一定以上の財産を持つ人の後見人には弁護士等の専門職が就任することが大半です。
本来、後見人には血のつながった親族が就任したほうがメリットが大きいはずなのですが、一部の不心得な親族後見人により成年後見制度のあるべき姿が歪んでしまったとも言えます。

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2月15日 第7回
1.タイトル
後を絶たない不正どう防ぐ?

2.記事からの引用
1)「成年後見人が、管理していた高齢親族の預貯金訳900万円を着服」-。
成年後見制度をめぐり、こんな不正は後を絶たない。最高裁判所によると、2017年には294件の不正があり、(中略)子供や配偶者など親族後見人が大半を占めた。

2)対策の一つが「後見監督人」だ。第三者の立場から成年後見人の業務をチェックする役割で、裁判所が司法書士や弁護士ら専門職を監督人に選ぶ。


3)ただ不満も出ている。横浜市の主婦は7年ほど前から母親の保佐人を務め、3年前から司法書士が監督人に就いている。主婦自身の保佐人活動は無報酬だが、監督人と電話で数回、面会で1度やりとりし、作成した書類をチェックしてもらったら年14万円かかった。

(保佐人は判断能力の衰えが比較的軽度で後見までは必要ない人に対して選任されます)

4)親族後見人による不正の多さも専門職後見人の増加につながっているとされるが、後見人業務に詳しい弁護士は「人となりを理解しているのは親族。トラブルさえなければ、親族が後見人となる方がよい」と話す。


5)東京都の中野区成年後見支援センターでは、11年度から年2回、専門家を招いて「親族後見人勉強会」を開いている。(中略)親族後見人に制度の理解を深めてもらうことも必要だ。

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後見人は家庭裁判所が選任しますので、裁判所としては選任した後見人が財産の使い込みをしてしまうと選任責任を問われかねません。
財産の多い人については、倫理面でのリスクの少ない専門職を選びがちになることにはやむを得ない面もあります。
問題の解決は親族後見人が勘違いしがちな「本人の財産の使途を自由に決める権限がある」という理解を正すことや、一部の不心得な親族後見人を速やかに排除するところにあります。
現在の制度では後見人を解任するためには解任に値する事由を揃えて家庭裁判所に申し立てをする必要がありかなりかなりハードルが高いのが実情ですが、この点も見直しが必要かもしれません。

妙案はありませんが、後見人に対する理解を深めるとともに、複数親族による後見を増やし互いの監督機能を期待するといった方法により、費用は少なく安全性は高いという仕組みを採用しないと後見制度の利用は広がらないと思います。

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