不動産が売却しやすい状態になっていない

相続財産である不動産を売却しようとした場合に、思わぬ問題が発覚することがあります。
簡単に解決できる問題であれば良いのですが、多額の費用がかかったりそもそも解決が図れない問題の場合も少なくありません。

こんなことが起きるかもしれません

問題の解決ができない場合、売却が不可、あるいは大幅に売却価格が下がる可能性があります。
例えば建物が未登記だったという様な場合には、建物の内容を証明する建築書類が揃っていれば、登記をするだけで問題は解決します。(建物は違法建築であっても登記は可能です)
この様な問題はそれほど深刻ではありません。
一方、売却に悪影響を与える要素もあります。
例えば更地で土壌汚染が見つかったという様な場合では、地盤改良をしないと買い手がつかないとなれば土の入れ替えなどを行う必要が生じます。
そうなると面積や程度にもよりますが100万円単位の金額が必要になってしまい、売却は可能ですが問題としてはかなり深刻です。
また古い土地では隣地所有者との境界が不明確、あるいは問題が棚上げされたままというケースも珍しくありません。
何らかの理由で隣地所有者が境界確定に非協力的である場合、その土地は境界未確定となり解決が難しい(あるいは不可能な)問題を抱えた不動産ということになり、売却が出来ないわけではありませんが、価格が大きく下がる可能性があります。

対策

1)不動産査定の実施

不動産の査定というと「いくらで売れるのか」という点に目が行きがちですが、その前段として売却が可能かどうかの調査しておくことをお勧めします。
問題のある不動産をそのまま相続財産にしてしまうのはトラブルの元ですので、できれば被相続人(予定者)が所有している間に一度確認をしておくことが望ましいといえます。
調査の結果、問題が発覚すれば改善を図る必要がありますが、相続開始前であればある程度時間をかけて改善に取り組むことが可能になります。

2)売却する

客観的に見て売れづらそうな不動産がある場合には、相続前の段階で時間をかけて売却を図り現金化することも一考に値します。
相続発生前であれば現金化した後はまた別の問題の少ない不動産を購入して相続税対策をすることも可能ですし、何よりも相続が発生してから売れづらい不動産を売ろうとすると買いたたかれる原因になります。
相続発生後でも急いで売却する事情が無い時には、ある時に思いがけない購入希望者があらわれたりすることもありますので、売り急がない状況を作ることが重要です。