相続人の配偶者が口を挟む

本来、遺産分割協議は相続人によって行われるもので、相続人でない者が関与する余地はありません。
しかし相続は家庭の問題でもあり、相続人の家族にとっても無関係ではいられない部分があるのも事実です。
問題は相続人同士でも揉めることが珍しくない遺産分割協議に、本来は関係のないはずの相続人の家族(主に配偶者)が口を挟むことで、協議がさらに紛糾することです。
この様な例は少なくなく、争族とよばれる状態を引き起こす一つの要因となります。

こんなことが起きるかもしれません

1)相続人と配偶者の考え方が一致していない

遺産分割協議が難航する原因に、相続人とその配偶者の考え方が一致しないということがあります。
ある遺産分割の内容に、当事者である相続人は納得しているにもかかわらず、その配偶者が納得をしないため相続人も考えを決めきれないという問題です。
他の相続人からすると本来は相続の当事者ではない配偶者の意見に遺産分割協議が影響されることへの不満感が生まれますし、当事者である夫婦からすると遺産分割協議の結果次第では深刻な夫婦間の問題へと発展しかねない状況が生じます。

2)他の配偶者等も遺産分割協議に加わる

遺産分割協議に相続人以外の者が口を出すようになると、別の配偶者も絡んできたり、ある人は自分の主張を代弁する専門家を連れてきたりとその影響は広がる傾向にあります。
多くの場合、本来は当事者でない者が遺産分割協議に加わることは良い結果を生みません。
遺産分割協議が収拾のつかない状況に陥る可能性があります。

対策

法律論というよりは感情論のお話しですので、はっきりとした対策という対策は無いのが実情です。
被相続人においてそれを見越して遺言を書いておけば、相続人が余計な苦労をせずに済んだケースです。
しかし普段はおとなしくても相続の時に急に豹変するタイプの人もいますので、中々見極めは難しいと思われます。
一概には言えませんが遺産分割協議で強硬な主張をする方は、主張する内容も独り善がりであるケースがあります。
遺産分割協議においては折衷案等を提示しながらとにかくまとめることを優先するか、最後は調停等の第三者機関を通じての解決を図らざるを得ない場合もあります。