親と同居していた相続人とそうでない相続人がいる

相続人が子供の場合、親と同居していた場合とそうでない場合があります。
子の立場からすると親との同居には経済的あるいは精神的な面などでメリットとデメリットがありますので、その点に関する見解の違いが子供同士の相続争いの原因になることがあります。

こんなことが起きるかもしれません

親と同居することに対する認識の違いに注意が必要です
親と同居するメリットとしては、居住にかかる費用負担が少ないことや家事や育児等を分担できるといったことが挙げられます。
一方で嫁姑問題に代表されるように、子の配偶者にとって義理の親との同居には気苦労を感じる面があるでしょうし、日常の世話や介護といった問題が自分の身に降りかかってくることも避けられません。
お互い相手のメリットに目が行きがちですが、実際には同居の良し悪し、別居の良し悪しがあるのが普通です。
相続が発生した時にこの意識のギャップが遺産分割協議に影響することがあります。

対策

1)コミュニケーションの重要性

子供同士あるいは親子間のコミュニケーションにより意識のギャップを埋めることが必要です。
遺産分割協議は法律よりも感情の問題になることもありますので、特に子供同士(相続人同士)が相手の考えていることを知っておくことが重要です。

2)自分の考え方の整理

コミュニケーションをとると口で言うのは簡単ですが、実際には難しい面もあります。
話し合いが難しいときには、他の兄弟や親が自分とは違う考えを持っている可能性が高いという前提で、相続が発生した時のことを想像してみるというのは有効な方法です。
そうすることで、これだけは誤解されないようにしておこう、あるいは伝えておこうということが見えてくると思います。

3)記録の有用性

証拠というと大げさですが、日記やメモなどでその時々の記録をつけておくことは話し合いや遺産分割協議においても役立つことがあると思います。
また自分の考えを整理するためにも有効です。


相続問題は純粋な法律の問題と感情の問題に分かれる傾向があります。
言うまでもなく拗れて解決が難しくなるのは感情の問題です。
親と同居している相続人がいる場合には、誤解が生まれやすいものだという認識を持って日頃の言動に気を付けておくことが必要です。
また親の立場においても、どのような相続の形を望むのかを考えることは自分の責任であるという認識を持つことが重要です。