成年後見 報酬見直し

最近の朝日新聞は成年後見制度に力を入れています。
4月3日の朝刊ですが、今回は最高裁判所が成年後見人の報酬について見直しを促す通知を出したという記事です。

このブログでもたびたび取り上げていますが、成年後見制度が普及しない理由には、

1)後見人には家族の意向とは別に司法書士等の専門職が就任することが多いこと
2)専門職後見人には報酬が発生すること(原則亡くなるまで)
3)財産管理の融通が利かないこと(家族全体を考えた財産管理ではなく、本人の財産を守ることが主眼)

と言う点が挙げられます。
記事中にもありますが、家族の意向が通らず、裁判所の選考過程も見えないブラックボックス化が制度利用をためらわせる大きな要因となっています。

本来、判断能力を失った人は一切の法律行為が出来ませんので、本人に代わり法律行為を行うことができる後見人のニーズは非常に高いはずなのですが、実際には認知症患者500万人といわれる時代に、後見制度の利用者は約20万人にとどまります。

国としては高齢者の生活の安全確保や経済活動の停滞回避のため、後見制度をより活発に利用してもらいたいと考えており、それが今回の最高裁の判断にも現れています。
この流れは、以前のブログでも書きましたが、既に最高裁が家庭裁判所に通知した「後見人は原則として親族が就任するもの」という判断ともつながっており、後見制度は専門職から親族へ、報酬も難易度に応じたメリハリのついた体系へと変化していきそうです。
こちらの記事です

後は実際の運用ですが、そもそも専門職後見人が増えた理由は、親族後見人の財産使い込みが頻発したからです。
同じ轍を踏まないために、このあたりのチェックをどう機能させるのか、後見人を任命する裁判所と地域の連携を生かしながら進めていく必要がありそうです。

 

 

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