古くて新しい問題。住居表示と地番について

12月7日付日経新聞朝刊の記事です。
これは不動産の場所を特定する際に起こる古くて新しい問題です。

住居表示と地番

住居表示と地番

不動産の場所を特定する管理番号として「住居表示」と「地番」の二種類があることはご存じでしょうか?

住居表示は郵便の宛先などに用いるいわゆる「住所」と呼ばれるもので、一般的にはこちらの方がなじみ深いと思います。
運転免許証や住民票の住所として用いられるもので、日常的な生活においては住居表示だけを知っていればさしたる問題はありません。

一方、地番は土地を管理する登記上の番号で、法務局で管理されています。
地番はいわゆる権利証(今は登記識別情報)や登記簿謄本(全部事項証明書)に記載がなされていて、土地の売買契約や遺言で不動産を相続させる場合など土地を間違いなく特定する場合にはこちらを用います。

元々、不動産(土地・建物)の場所は地番で管理をされていたのですが、土地の売却等による分割や統合が繰り返されたことで枝番や欠番が生じ、隣り合っている家の地番が大きく異なってしまったり、一つの地番の上に複数の建物が建っている、あるいは逆に一つの建物が複数の地番の土地上に建っているといった不動産の場所を特定する手段としては実務的な不都合が生じるようになってしまいました。

そのため新たな管理上のルールとして制定されたのが「住居表示」で、土地上に建てられた建物を町名・街区符号・住居番号で管理するようになりました。

「○○町△丁目□□番××号」

という様な表記がそれにあたります。

但し、住居表示は全ての建物につけられるわけではなく、区画整理などをきっかけに市町村が新たに割当てるもので、現在でも住居表示が付された地区と付されていない地区が存在し、住居表示のない地区では従来通り地番で不動産の場所が管理されています。

問題点

現在、不動産の場所を特定する際の問題は大きく二つあり、一つは上でも書いた地番による管理には実務上の不都合が生じていること。

そしてもう一つは住居表示制度が用いられても、同じ住所になってしまう建物が存在するということ。(日経新聞の記事はこの点について触れたものです)

折角、建物の場所を特定するために導入された住居表示制度なのにこのようなことが起きてしまうのは残念ですし、実際支障も生じていますが、新聞記事にもある通り枝番号をつけるなど解決方法もあります。

新たに不動産を購入される方などは心にとめておいた方が良い内容だと思います。

 

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