セミナー考

年間にそれなりの数のセミナーを受講しています。
メインはやはり相続や不動産に関わるものが多いですが、私が好きなのは実務系のセミナーで自己啓発系やビジネスノウハウ系のセミナーはあまり受講しません。
最近は座学ではなくグループワークを中心に開催するセミナーも増えてきていて、刺激と緊張感を味わうことも多くなりました。
知り合いにはセミナーを受けて勉強をした気になっていると揶揄されることもありますが、インプットはアウトプットの前提ですので興味のある内容であれば出来るだけ受けるようにしています。

一方、自分でセミナーを開催したことがあるかと言えば、実は一度もありません。
宅建協会などが主催するセミナーを役員として手伝ったことはありますが、自分が講師として話しをするセミナーというのは一度もありません。
いつかはやってみたいという気もあるのですが、準備の大変さや継続性という点を考えると自分一人でやるのはちょっとしんどいかなという気がしています。

なので私のセミナー経験はほぼ受講生としてのものだけですので、一般のお客様が受けているのと同じ目線でセミナーを見ています。
そこで私なりに今まで受けてきたセミナーを振り返ってみて思うところを書いてみたいと思います。

1.無料セミナーよりも有料セミナーの方がためになることが多い

お金をとる以上言わずもがなという気もしますが、やはり有料セミナーの方がためになります。
というかとどのつまりはそこに尽きると思っています。
理由はいくつかありますが、まず第一に有料ということはその分主催者の予算が増えますので、有能な講師を招聘できるという点があります。
セミナーを開催する際には誰を講師として招くかが非常に重要ですが、基本的に良い講師はギャランティーが高いです。
もちろん自社の宣伝を兼ねて格安で請け負ってくれる講師の方もいますので一概には言えませんが、基本的に高いギャランティーを取る先生は人気のあるベテランが多く、その分経験談も豊富で資料や説明の仕方もブラッシュアップされていて中身が濃くなる傾向はあると思います。(文化人なんかで知名度に胡坐をかいてお茶を濁すようなお話をする方もたまにいますが)

次にお金をとるということはそれなりに本気度の高い受講者が多いので、セミナーのレベルが高くなり、内容も総花的なものでなく範囲を絞ったものになりやすいです。
また参加人数も少なくなりますのでより緊張感も高くなります。
但し、逆に言うとまずはふわっと話しを聞いてみたいというような目的の場合には無料セミナーの方が良い時もあります。
公共団体や私ども宅建協会が開催するような無料セミナーは多くの人に役立つよう比較的入門編的な内容を中心としたものが多いので、その辺りは自分が求めるレベルの見極めも大事になってきます。

3つ目はこれは有料の方がためになるということと直接はリンクしないのですが、相応の金額を取るセミナーというのはそのセミナー自体が商品です。
ですので参加費に見合う内容にしないとクレームになりかねませんので自ずと内容の充実を図ります。
一方、無料あるいは安価なセミナーは、そのセミナーを呼び水としたバックエンド商品の販売等を目的としている場合が多いです。
もっとも典型的なものがハウスメーカーさんなどが開催する相続税の節税セミナーなどで、地主さんを相手に無料の相続税節税セミナーを開催し、賃貸アパートの建築を勧めるといった内容のものは昔からたくさんあります。
この場合、セミナーは無料でも内容や配布資料が充実していることが多いのは良い点なのですが、自社に不都合な内容は意図的に省かれるなど内容にやや偏りがある場合も見受けられます。
また参加後の営業攻勢がすごかったという様なお話しを耳にすることもありますので、セミナーの開催目的は何かということを分かって受講するということもセミナー選びでは重要なことだと思います。(私たちの様な専門職を対象にしたセミナーでも、内容の割に値段が安いなと思うものはほぼ100%セミナー終了後に何らかの会員制クラブなどの斡旋があります)

2.有料だから良いという訳ではない

いきなり前言を撤回する様で恐縮ですが、実は有料だから良いとは限らないと言いますか、このブログ記事を書こうとしたきっかけでもあるのですが、最近耳にしたことでセミナーの価格を敢えて高くして箔をつけるというアドバイスをしているセミナーコンサルタントがいるそうです。
もちろん需要と供給の法則はセミナー業界にもあるわけで、高い割に内容が乏しければその主催者のセミナーや講師のセミナーにはもう出ないでおこうと思うだけですが(私も過去にそういうことが一度だけありました。恐らくデビュー戦だったのか非常に内容が乏しくさすがにアンケートでも苦情を入れたぐらいです)、参加してしまったその1回の時間とお金は帰ってきません。
やはり内容と価格は比例するべきですし、戦略として価格を吊り上げるようなことをアドバイスしている人がいるとはちょっと思いもしませんでした。
ますます自分のお金と時間を使って受講しようと思うセミナーの見極めが難しくなってきたなーという気がします。

最近は何らかの商品を購入する前やサービスを申し込む前にはgoogleのレビューなどで評価を確認することが一般的になっていますが、不動産や相続に関わる専門的なセミナーにはそのようなレビューは少ないですし、何よりも自分のニーズとあっているか否かという点は中々他人のレビューで分かるものではないような気もします。(内容の評価をしている人の信頼性はどうなの?というのは全てのレビューに共通することですが)
なのでどの様なセミナーに出てよいかわからないという時には、結果的に既に何回も開催されているセミナーやセミナーの開催実績が多数ある主催者が行うセミナーを選ぶとかで保険を掛けるしかないと思います。
私も最近は信頼できる団体が主催・斡旋するセミナーぐらいしか参加していませんが、初めてセミナーを受けようという方からするとセミナー選びは意外と難しいのかな?と思いこんな記事を書いてみました。
多少でも参考になれば幸いです。

 

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