不動産価格 一括査定サイトの活用
- shiawase
- 2019年8月27日
自宅など自分が所有している不動産の価値（価格）を知りたいと思う時があります。
そんな時、「地名」＋「不動産」＋「価格」などのキーワードでネット検索すると、上位表示されるのが不動産の一括査定サイトです。
これは土地の所在や建物名など必要項目を入力すると、査定資料が不動産会社各社から届くサービスで、机上で行う簡易査定と実際に現地を見て調査をする訪問査定で分かれていることが多いです。
不動産業者からすると、査定を依頼される方というのは不動産売却に関する将来の見込み客ということなので、お問い合わせそのものに非常に価値があり、当然営業活動の対象になります。
お客様からすると査定の依頼後に定期的にＤＭや電話営業などがくることが多いでので、それを煩わしく感じる方も少なくありません。
ただ、見込み客として営業対象になるという点については、無料のサービスを利用する以上やむを得ないと言いますか、ギブ＆テイクの関係という面もあると思うのですが、一括査定サイトの問題点は、むしろ先に述べた「不動産業者はお客様から売却の依頼を受けたい」というスタンスにあります。
お客様から査定依頼を受けた不動産会社の目的は言うまでもなく「売却の依頼」を受注することです。
それもできれば複数の不動産会社と横並びで依頼を受けるよりは、自分の会社だけに依頼をしてくれることがベストです。
これを専任媒介と言い、成約した場合には確実に自社に仲介手数料が支払われることになります。
するとどうなるかと言えば、査定の段階で「うちなら高く売れますよ」とばかりに受注優先の高額査定をしがちになります。
実際にはスタンスの堅い不動産会社もあれば査定は査定と割り切って高い値付けをする会社もあり、金額は結構バラバラになりますが、結果として査定価格が１千万円単位で乖離してしまうことも珍しくありません。
しかも、それであれば高い値段で査定した不動産会社に依頼をすれば良いのかと言うとそれはそうでもありません。
査定は査定であって、売却保証や、買い取り保証価格ではないからです。
依頼をされたお客様からすると、高い金額の査定が正しいのか低い金額の査定が正しいのかという判断が極めて難しいという問題が一括査定サイトにはあるのです。
本来、不動産は同じものが一つとない極めて個別性の強い商品です。
同じ町内街区であっても価格が倍以上違うこともありますし、ある人にとっては非常に価値のある不動産が、ある人とっては魅力的でない、こういうことは少なからずあります。
要するに心にとめておいていただきたいことは、お客様が自分の不動産の価値を知りたいと思った時に最初にやることは、丸腰で価格査定サイトに依頼をするのではなく、まずはご自身で自分の不動産がどのようなポテンシャルを持っている不動産なのかということを自分なりに確認しておくことをお勧めしますということです。
不動産は様々な要因で価格が変動します。
住宅適地であれば、南向きの平坦な整形地で、面積がそのエリアの標準的な広さの宅地であれば価値は高くなります。
しかし間口が狭い不整形地や道路に接していない宅地、隣地との境界が未確定、あるいは隣地からの越境や他人の使用権が付いていれば当然価値は下がります。
あるいはもっと単純に、同じ道路に面している全く条件が同じ土地であっても、４０坪と１００坪では価値は異なります。
そのエリアの標準的な土地の取引面積が４０坪前後であれば、１００坪では広すぎることになるからです。
例えば坪単価がおおよそ８０万円だとすると、４０坪なら３２００万円ですが、１００坪では８０００万円にもなります。
総額が高くなれば、当然購入希望者が多いボリュームゾーンからは外れてしまいますので、
単純に「坪単価×面積」で売却可能価格が計算できるというものではありません。
また意外と知られていないのですが、個人の方が広い土地を売却しようとするときには、２つ３つに分割して売りやすい大きさにしてから売却すればよいと思われることがありますが、そういう売り方は不動産業に当たるということで宅建免許が必要にあり個人の方が直接売主になることはできません。
広い土地を売却しようとする時には、その広い土地なりに売却をする必要があり、その場合の購入希望者は資金力のあるプロの不動産業者となることが多く（その後不動産業者が土地を分割して販売します）、売れる価格はどうしても下がります。
ご自身の不動産にどのような問題があるのかを知ることは決して簡単ではないかもしれませんが、それこそネットの普及した時代ですので、「不動産」＋「売却（あるいは購入でも良いかもしれません）」＋「チェックポイント」といったキーワードで検索すれば、不動産を評価するポイントや問題点が説明されたサイトがたくさん見つかると思います。
言うまでもなく何の予備知識もなく査定を依頼するのと、ある程度自分で不動産のストロングポイントとウィークポイントを理解したうえで査定を依頼するのでは、査定結果に対する見る目が違ってきます。
もちろん査定の中できちんとそれらの点に触れられているのかも査定の説得力にも大きく影響します。
不動産は買う方にとっても売る方にとっても非常に高価な商品です。
取り引きには難しい面も多く専門知識も求められますが、それでも価格査定を不動産業者任せにせずある程度自分で理解をした上で、意見を聞いてみるという姿勢が重要だと思います。
（逆に自分が思いこんだ価格に囚われて、不動産業者の価格査定に納得をしないという方も時々いらっしゃいますが、そこは柔軟な気持ちで内容の是非を判断していただければと思います）
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