専門用語を簡単な言葉に置き換える練習

昨日の埼玉相続診断士会(定例会)の講習では、相続に関する専門用語を簡単な言葉に置き換える練習をしました。
相続関連では専門的な言葉が多く、それがお客様の理解を妨げたり、とっつきづらさを感じさせてしまう原因になりますので、出来るだけ簡単な言葉に言い換えてお客様に理解を深めて頂く必要があります。

以下、昨日の事例です。
正解があるものではなく、この様な言い方をすれば分かりやすいのではないかというものです。
いずれの言葉や制度も法律的に正しく説明しようとすると俄然難しくなってしまうのですが、まずはざっくりと「こういうものなんですよー」ということを理解してもらうことが大切になります。
尚、各用語の詳しい説明はこのサイト内の記事にリンクを貼っていますので、お時間のある時に目を通していただき比較してもらえると幸いです。

1.法定相続人

・法律で財産をもらう権利のある人。

私は奥さんか子供と言ってしまい、「いないよ」と言われればじゃあ「誰々ですね」という言い方でも良いのかなと思いました。

2.生命保険の非課税額

・相続の時にもらう死亡保険金のうち、相続税がかからない部分

実際には被相続人が保険料を負担していた保険契約で、相続人が死亡保険金を受け取った場合には「500万円 × 法定相続人の数」で計算される金額が相続税非課税となります。
死亡保険金も相続税の対象になるということと、非課税額によって相続税の軽減が図られているということが重要になります。

3.相続税の基礎控除

・相続財産がここまでだったら相続税がかからないよーという額
・相続税が免除される一定額

相続税の基礎控除は「3000万円+600万円×法定相続人の数」で計算され、相続財産の評価額がこの金額以内であれば相続税はかかりません。
2つ解答例を取り上げましたが、上が私の答えです。
分かりやすいでしょうか?

4.相続時精算課税制度

・先に渡したい財産を渡せる制度
・あまり得は無いけど、子供や孫にまとまった財産を早めにあげたい時に使える特例

相続時精算課税制度は名前からして複雑ですが、基本的には「贈与の制度」です。
60歳以上の親や祖父母が20歳以上の子や孫に財産を贈与した場合に2500万円までが贈与税非課税になり、まとまった額の財産の生前贈与が可能になります。(2500万円を超えた部分には一律20%の贈与税)
但し、贈与税が免除された贈与財産は名前の通り「相続時に相続財産に持ち戻されて相続税として精算されます」ので、原則として節税効果はありません。
下が私の回答で、難しい単語は使っていませんが少し長いです。
いかがでしょうか?

5.小規模宅地等の特例

・奥さんや同居家族が自宅を相続すると相続税が優遇される制度

小規模宅地等の特例は非常に複雑な制度で端的に説明することが極めて難しいのですが、要は被相続人のご家族などが自宅などの大切な財産を相続した時には、相続税の負担を軽くしてあげないと気の毒だよね、という趣旨の制度です。
大幅に評価額が下がりますので、悪用がなされない様細かい適用規定が設けられています。

6.公正証書遺言

・役所で作る確実な遺言

遺言には主に自分で書いて保管をする「自筆証書遺言」と公証役場で作成する「公正証書遺言」の二つがあります。
自筆証書遺言には様式不備による無効や、未発見、改ざん、隠匿、偽造作成といったリスクがあるのに対し、公証人に作成してもらい役場で保管する公正証書遺言は効力が確実な遺言と言えます。
但し、効力が確実であることと、内容が適切なものであるのかは別問題ですのでその点には注意が必要です。

 

多くの専門家がそうだとは思いますが、私も相続のご相談を受けるときにはあまり細かい説明から入ることは避けています。
大局観と言いますか、大まかな考え方を理解していただいたうえで、細かい部分を詰めていくというのがご説明の基本だと思います。
結局のところいくら詳しく説明をしてもお客様の頭に内容が残らなければ意味がありませんので、今回のような練習や心掛けは大切だと再認識しました。

 

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