相続放棄は万能ではない!?

相続が発生し、残された相続財産に現金や有価証券、不動産などのプラスの財産よりも借入金などのマイナスの財産の方が多い場合には、相続人は相続放棄を検討することが出来ます。

相続放棄は、民法の規定で、

「相続の放棄をした者は、その相続に関しては始めから相続人にならなかったものとみなす」

と定められています。

最初から相続人でないことになりますので、相続に関わる権利について主張することもできなければ義務も負わないという立場になります。
では相続放棄をすれば必ず相続財産に関わる権利義務関係と無関係になるのか?と言えば実はそうではありません。
注意が必要な場合があります。

1.相続の放棄をした者による管理

民法には相続放棄についてこのような規定があります。

「相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人になった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない」

つまり子が相続放棄をして、被相続人の兄弟姉妹が新たに相続人になる場合などで、その旨を相続放棄をした本人が伝えなければ、兄弟姉妹がその事実を知るのはずいぶん経ってからになるのが普通です。
それまでの間は、例えば空き家になった被相続人の自宅などを少なくともほったらかしにはせず、危険除去などの管理は継続しなくてはならないと定められています。
(この管理義務からも逃れたい場合には、相続財産管理人の選任を求めるという方法もありますが、予納金等の費用が掛かかかなり高額なお金を用意する必要があります)

2.連帯保証債務

もう一つは、連帯保証債務です。
例えばお父様が自宅を建て替えする際の借り入れに対し子供が連帯保証している場合があります。
その後、借入金の返済が終わる前にお父様が亡くなり相続になると、仮に子供が相続放棄をしたとしても、金融機関に対する連帯債務は亡くなりません。

混同しやすいのですが、親が誰かの連帯保証人になっている場合には、相続人である子は相続放棄によって連帯保証の引継ぎから逃れることが出来ます。
しかし子が自ら連帯保証人になっている場合では、子の金融機関に対する「自分の債務」ということになり、親の財産の相続とは関係がありません。
主たる債務者であるお父様が亡くなったので、連帯保証をしている子が引き続き債務を負担するに過ぎないという考え方となります。

相続放棄をすれば親が残した債務を引き継ぐ必要はないというのは正しいですが、前者はその例外であり、後者は一見相続財産に見えて実は自身の債務だったという点が盲点となります。

相続にはこういう落とし穴があるので注意が必要です。

相続放棄

 

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