相続「親と話をせず」6割

大手税理士法人による相続に関する調査が、8月15日付の日経新聞朝刊に載っていました。
首都圏1都3県に住む、将来相続を受ける可能性のある30~50代の男女が対象です。

親子で相続の会話

結果は、「親と相続について会話をしている」という人は全体で41%、50代は男女とも半数近くが話しをしているというものでした。
一般的に首都圏は不動産の価値が高く、相続に対する関心も比較的高めですが、それでも50代で約半数(つまり親世代は80歳前後の方が多いと思います)という結果です。
これを多いと考えるか少ないと考えるのかは人それぞれだと思いますが、話しをしているという半数の方にしても、相続対策という次元にまで落とし込んで話しをしているというのは恐らくかなり少数と思いますので、多くのご家庭では相続についてはほぼ丸腰に近い状態というのが実情の様な気がします。

子供が30代、40代では親も若く、親子とも相続を具体的に考える必要性を感じないというのは仕方のないことなのかもしれません。
実際会話をしていない理由も、「親が元気で必要性を感じない」が最も多く、「会話が必要なほど資産があるとも思えない」、「会話したいが親子で資産の話がしづらい」、「親に任せている」と続きます。
これは致し方ないとも思いますし、ある意味予想通りの回答だと感じましたが、敢えて言えば相続には次のような特徴があることは知っておいていただきたいと思います。

・相続はいつ起きるかわかりません
・財産の多い少ないは相続争いとは関係ありません。むしろ財産が少ない方が公平な遺産分割が出来ず揉めてしまう傾向にあります
・相続対策は早めに始める方が対策の幅が広がります。相続直前になって採れる対策には限りがあります。

要するに、世間一般の感覚とは真逆の性質があるのが相続で、それ故相続争いが絶えないとも言えます。

一般にお盆など家族が一堂に会する時は相続について話し合うチャンスと言われています。いきなり「相続について話そう」と言えば「なんだ!?」となってしまうかもしれませんが、「将来の実家のこと」や「親の健康状態」などの会話から、さりげなく話しを相続に誘導してみることは可能です。

相続と言うとどうしても「財産」という意識が強くなりがちですが、実際には財産を含む家族の将来像であり、それは家族それぞれの人生観とも関係します。
親が考えていること、兄弟姉妹など他の相続人が考えていることが、思いのほか自分の考えとは違っているということはよくあります。
相続をタブー視することなく、少しづつ相続について話し合える環境を作っていくことが、将来的に向けて非常に大切になるということをご理解いただけたらと思います。

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