宅建協同組合のセミナーがありました。
テーマは相続税の還付手続きについてです。
財産家の方には避けて通れない相続税ですが、実はこの税金は申告納税制というところに落とし穴があります。
つまり申告納税なので、相続が発生した時にはご自身で相続した財産の評価を行い、相続税額を計算する必要があります。
その上で相続税が発生する場合には申告して納税をするのですが、納付した後に税額が不足している場合には税務署は税務調査で厳しく追徴課税をするのですが、逆に多く納付している場合には税務署は何も言ってくれず、納税者が自ら還付請求をしない限りそれっきりという不合理さがあるのです。
(明らかな間違いがある時には税務署から還付を伝えられることもあります)
当然のことながら一般の方は相続税計算には慣れていませんので、通常は税理士の先生に税額の計算と申告を依頼をします。
しかしお医者さんの世界が内科、外科、小児科、歯科、眼科のように専門が分かれているのと同様、実は税理士の世界にも専門分野があり、相続税に精通している税理士の先生は全体の一握りだといわれています。
相続税に慣れていない先生の場合、財産の評価で本来は使えるはずの特例を適用していなかったり、気づくべきところを見落としたりで評価額が正しく下がっていないということが往々にして起こりえます。
特に不動産の評価は難しく、法律や財産評価通達の内容に精通して、ぎりぎりの解釈を税務当局とやりあうにはそれなりの経験が求められるとされています。
(財産評価は10人税理士がいると10通りの価格があると言われているそうです)
さらに税理士の先生自身にあまり自信がなく、税務申告をした後に修正申告(追徴課税)となるのを避けたいと考えると、どうしても財産の査定が甘くなり税額は多めになることがあるそうです。
税務署にしても足りない相続税は税務調査で厳しく取り立てますが、相続人が多く支払った相続税についてはわざわざ「この特例を使えば税額が少なくなりますよ」とは教えてはくれませんから、財産を高く見積もって税金を多く支払ってくれる分には全く問題はないのです。
ということで、もし相続税を納めた方で相続財産に不動産の割合が多かった方は、ぜひ見直しをすることをお勧めします。
気を付けて頂きたいのは、多くの場合は土地の鑑定評価にかかわるものですので、申告した税理士さんの申告が間違っていたというわけではありません。
不動産鑑定と税務の観点から財産を見直すという作業です。
懇意の税理士さんがいらっしゃる場合には、引き続きその先生に相続税申告見直し以外の税務をお願いして頂くことで全く問題はありません。
但し、納付した相続税の見直しが認められるのは、相続が開始してから5年10ヶ月以内に「更正の請求」を行った場合に限られます。(相続税の申告期限が相続開始から10ヶ月以内なので、申告期限から5年という考え方です)
期間の制限がありますので、その点は十分ご注意ください。
実際、人によっては何百万何千万円の還付がなされることがあるということですし、特に2017年12月31日までに相続を開始した方の場合には、相続財産に500㎡を超える土地が含まれていると、「広大地評価」という非常に大きな特例が使える可能性がありますので、ぜひご検討されることをお勧めします。(500㎡はさいたま市の基準です)
相続税の還付請求には実績と経験が必要と言われますので、宅建協会提携の腕利きの相続税専門の税理士・不動産鑑定士法人をご紹介致しますので、是非お気軽にお問い合わせください。
※費用は完全成功報酬制ですので、申込金や調査費などの費用は一切かかりませんので、ご安心してご依頼ください。
例えば土地上に送電線が通っている場合。
登記簿に地役権が設定されていれば気づきやすいですが、電力会社と覚書方式で建築制限の取り決めがある場合もあります。
現地で「送電線=評価減」と気づかないと見落としてしまいがちです。